佐々木漣 ブログ 漣の残響

闇の中に詩を投げろ

埋葬式

形あるものは
いかなる理力によって燃えるのか
熱は時に心を温め、
何故、憎悪に変化するのか
ささやかな芸術として刻まれたあなたの命は、
呼ばれることなく灰燼に帰す

身体に残る障害
こころに残る障害
あなたは何分同情し、何分で忘れたろう?
記憶も記録も劣化してしまう
追いつくには難しい速度で
世界を創ってしまった
構築され
瓦解し
また構築される
バビロンの塔をつくったのは石ではない
言語化できない傲慢さだ

言葉が酔っ払って勝手に喋っている
最初にエピローグが酔いつぶれ、
プロローグは浴びるようにジンライムを飲んでいる
エピグラムは白い家に直談判しに行ったが、
帰ってこない
きっと人買いだろう


贋作ばかりを描いてきた人間にとって、
正しい解釈は、買いたいくらい安価なのだ

この国の埋葬式に集った人々は、
本当の深淵を知らず
言葉の貧困に気づかない
きっと、ずっと、そうだろう
彼らはただここへやって来て、
そして元の暮らしに戻るだけだ
うるさいだけの犬の尻を蹴り上げ
バドワイザーコロナビール
どちらがうまいかを話しながら

国境の壁には何の意志も精神もない
欠落だらけの自己同一性に扇動されている徒労の列
オークションで母国が売り買いされている
理力の燃えていない、もう丸くない世界において、
あなたはひとりで立っていられるか?