佐々木漣 ブログ 漣の残響

闇の中に詩を投げろ

新しい思想(加筆修正)

国民の義務だと謳って
他人の紅い汗を舐めながら、働くことばかり強制され
眠くなれば、二階から轡を点眼される
前回休んだのは、いつ転生した時だろう?
どの時代も一緒だった
ふたつ、みっつと死んだ数だけ影が増える

《スキャンダルに追われ、自分の放った矢に撃たれる
溺れているあの愚か者は誰だ? どの星の元首か?》

恥も外聞もない。乗り心地の良いデバイスに担がれ、
様々な認証とパスワードを打ち続けるのが貴方の仕事
機械と言えばその通りだが、功名心が人間の証明
貴方が命懸けでした仕事を、歴史に残したいだけ
貴方の嗜好品の中で、命は道具となり下がった

いつでもキレやすいように研がれ
白昼劇の悲しみを製造している、ひび割れた世界
収容所となった日本は、それくらいの娯楽が必要なのだ
首の脱臼が、その音が。

世界史と世界史が幾度もぶつかった。その度に
恒星がぶつかりあうように空気が裂けた
その隙間から神の「復活」として産まれ堕ちた
その音とも呼べない哀しき鳴動が
見慣れていたすべての風景を破棄した

本日正午から、人口調査が行われる、と
二〇二〇年に侵略した火星のラジオが伝える
努力目標だと謳って
精神障がい者の「人権」を村八分する
そして疑心暗鬼の生活が始まった
自由はどこにだって行けない
窓側の席から動けない

港で猫が幸福ならば
何故、我々にそれができないのか

浜辺の貝殻の貨幣で足を切る、海抜〇メートルの小国で、
少年少女が探している。
よせてはかえす波に消される、新しい思想を