佐々木漣 ブログ 漣の残響

闇の中に詩を投げろ

2021-01-01から1年間の記事一覧

ジャーナリストの彼女が目の前で死んだ

それがどんな風に起こった出来事であるのか 詳細まで説明させようとするヘッド・シュリンカー 怪しい友人という名を被った執行人 「破裂」という言葉を使わないでくれ、と頼んでも 逃げていると背中に向かってなじる、蹴る、行儀人 私の目の前で彼女の眼球が…

今、この時に生きていることについて感じなければ、貴方は生きていけるのか?

現代史には仇が常に必要で その歴史的真実は翻訳ソフトを使用しても伝わらない 斬殺する側にも出血する無言が存在し 逆流するヘモグロビンが今でも 朝刊から溢れた情報をせっせと運んでいる もう止血剤の効かない心たちが、何人もの人を殺める 安息日の祈り…

仮説

昨日と今日の瀬戸際に唾をつけてめくる 無の涌く湖のように渇いた一ページ それが私の日々を模していく、贋作の日々 溺れずにいる魔法を失った物語の途上が 湖底に突き刺さり、わずかに湧き出てきた 名前のつけようもない同一性を掬う かつて、絶対的に守ら…

それでも、人間が好きだと

世界の底辺が、 フィクションになり、崩壊していく音を ただ聴いていた 震える耳で聴いていた 語彙をすべて質入れした氷河期時代の末裔は 音の出ない王冠を額にして 自分という幽閉先から一心に自分を鳴らしている 言霊が滅びていくことを知らせるため 淘汰…

WHO

特権となった情報だけを所有するヒエラルキーの現場で虚数に まみれた躰を起こし目覚める不穏な予言 支配者達は身の危険を感じ、己の手をはじめて見た #拡散希望、を収束することにかかっているその震え 天使の町からアノミーが降雪する 人は、自分の物語を…

性善説の裏側で

斬首された心の中心で死に場所を探していない日はない川の柳は流れない。炭化した瞳それは、とても、明らかに、殺人者のものだ自己の中で、低い鐘の音がする人の血を舐めたことのある、たぎる血 帰省してきた「息子」相手にとっくみあいこの世の仇を見つけた…

メフィストフェレスの自殺

老婆を叩き潰したその内省は解脱した 見開いた、 壊れた瞳孔で見たのだろう 彼だけの真実を 彼だけの前を通り過ぎた せむしの様なメフィストフェレスの姿を 現代でも惨劇は、 慈悲や救済という名に匿われ 壊れた人の上を白昼堂々歩いている 善人が悪人になる…

即興死す

枯れ果てた早朝の空気の中。過呼吸の怒りに頼って、アンガーのハンマーで叩き潰そうとした貴方の目が止めた、「私」という肥大した主語の塊。毎晩、射精した血で黒すぎる経血のような精液の残り香が貴方に生を贈っていた。晩冬の風が寄せて引く波を夜の港に…